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農業特定技能、1号試験は海外13カ国・国内47都道府県で実施 2027年育成就労で採用経路さらに拡大

2026年9月15日

農林水産省の2026年4月資料では、農業特定技能1号試験を海外13カ国と国内47都道府県で月1回以上実施。2027年の育成就労開始を前に、農業法人には季節雇用だけでなく技能育成と2号への長期キャリア設計が求められる。

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農業は海外採用インフラが大きく広がった

農業分野の特定技能は、海外から直接採用するための試験基盤が主要分野の中でも広範囲に整ってきた。農林水産省が2026年4月に公表した資料によると、特定技能1号の農業技能測定試験は海外13カ国で月1回以上、国内では47都道府県で月1回以上開催されている。2027年4月には育成就労制度も始まるため、農業法人や農家にとって外国人材の確保方法は、技能実習からの移行中心だった時代から大きく変わる。

海外試験の実施国として農水省資料に示されているのは、フィリピン、カンボジア、ミャンマー、モンゴル、ネパール、インドネシア、ベトナム、タイ、ウズベキスタン、スリランカ、インド、バングラデシュ、パキスタンの13カ国。採用企業は特定の送り出し国だけに依存せず、人材供給、作物経験、日本語教育環境などを比較しながら募集国を組み合わせる余地がある。

受入企業には農業経験と協議会加入が必要

農水省の2026年版Q&Aでは、特定技能外国人を受け入れる農業事業者等について、労働者を6カ月以上継続して雇用した経験またはこれに準ずる経験を求めている。また、初めて受け入れる場合は農業特定技能協議会への事前加入が必要とされている。

農繁期直前になって人が足りないから海外採用するという進め方では、試験、在留資格、協議会、住居などの準備が間に合わない可能性が高い。作付け・収穫カレンダーから逆算し、数カ月単位で採用工程を作る必要がある。

選果だけを担当させることはできない

農業分野の業務は耕種農業と畜産農業に分かれる。農水省は、耕種では栽培管理、畜産では飼養管理を必須業務としており、農産物・畜産物の集出荷・選別などにも従事できるが、選果などだけを専属で担当させることはできないと説明している。

これは派遣形態を利用する場合にも重要だ。農業は特定技能で派遣が認められている分野の一つだが、派遣先で制度上の主たる農業業務を経験できるよう配置を管理する必要がある。人材会社と農家の双方が業務内容を理解していなければ、制度とのずれが生じる。

2号では「工程管理」がキャリアの分岐点

農業分野では特定技能2号も利用できる。農水省によれば、2号試験を受験するには、工程を管理する者として2年以上、または現場で3年以上の実務経験が必要とされる。2026年4月時点では2号試験は国内で毎月開催されている。

外国人本人が2号を目指すなら、1号期間中に単なる作業者から、栽培・飼養工程を理解し周囲へ指示できる立場へ成長することが重要になる。企業側も将来2号へ進ませたい人材には、作業記録、品質管理、後輩指導などを段階的に任せ、実務経験を証明できる状態にしておく必要がある。

育成就労開始後は通年雇用モデルの再設計へ

農業は季節変動が大きく、地域・作物によって繁忙期が異なる。2027年から育成就労が始まれば、3年間の技能形成をどのように確保するかが重要になる。単一作物の繁忙期だけ働かせるのではなく、複数作物、施設園芸、選別・出荷、関連作業を組み合わせ、年間を通じて技能を高められる雇用設計が求められる。

農水省資料では、日本人が通常従事する関連業務であれば、農畜産物の製造・加工、運搬、販売作業や、業務上必要な範囲の冬場の除雪などを付随的に行うことも可能とされる。ただし主たる業務は農業でなければならない。外国人本人の安定収入と農家側の年間人員配置を両立させるには、制度上許される業務範囲を理解した上で通年の仕事を設計することが、今後の農業特定技能活用の焦点となる。

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