航空特定技能、2026年7月に運用要領改正 グランドハンドリングと整備で「キャリア形成」重視へ
2026年9月15日
国土交通省は2026年7月17日、航空分野の特定技能運用要領を改正した。空港グランドハンドリングと航空機整備では、2号への技能進度確認を含め、採用後の育成を制度的に管理する方向が強まっている。
航空分野は2026年7月に運用ルールを更新
航空分野の特定技能制度が2026年夏に更新された。国土交通省は7月17日、航空分野の特定技能外国人受入れに関する運用要領を一部改正した。対象は空港グランドハンドリングと航空機整備で、いずれも空港・航空ネットワークを支える人材不足への対応が課題となっている。航空分野は2027年開始の育成就労対象ではないため、当面は特定技能1号と2号を軸に、即戦力の採用とキャリア形成をどう両立するかが焦点となる。
政府が2024年に設定した航空分野の2024年度から5年間の特定技能1号受入れ見込みは最大4400人だった。空港グランドハンドリングでは手荷物・貨物取扱いや航空機地上支援、航空機整備では機体・装備品の整備など専門性の高い業務を担う。コロナ禍後に航空需要が回復する中、空港現場で人材を安定確保することは、航空会社だけでなくグランドハンドリング会社や整備事業者にとって運航維持に直結する。
2号では技能進度を記録する仕組み
国土交通省の最新ページでは、空港グランドハンドリングの特定技能2号評価試験を申し込む際、「技能進度確認票」の提出が必要とされている。これは、1号期間中の勤務を単なる在籍期間ではなく、どの技能をどの程度習得したかという形で管理する必要性を示す。
航空機整備の2号評価試験でも受験者用、事業者用の誓約書が用意されている。企業は採用時点から2号への移行可能性を見据え、本人が経験した作業、指導状況、技能水準を記録しておく方がよい。人事部が在留期限だけを管理し、現場の技能履歴を残していなければ、将来の2号申請や試験準備で情報が不足する可能性がある。
航空は安全と日本語を切り離せない
航空現場では安全確認、作業指示、無線・連絡、危険区域への立入りなど、言語理解が直接安全に関係する。特定技能の日本語要件を満たしていることは入口にすぎず、企業独自の専門用語や手順を教育する必要がある。
特にグランドハンドリングでは限られた時間内に複数職種が連携して航空機を出発させるため、誤解や確認不足を減らす仕組みが重要だ。外国人向けに業務を簡略化するだけではなく、標準作業手順書の多言語化、図解、実地訓練を組み合わせ、日本人と同じ安全基準で働ける環境を整えたい。
外国人本人は1号から2号への条件を早期確認
外国人側にとって航空分野の魅力は、専門技能を積み上げて2号へ進む道があることだ。一方、希望するだけで自動的に2号へ移れるわけではない。担当業務、実務経験、技能評価試験などの条件を確認し、1号期間中から必要な経験を積む必要がある。勤務先を選ぶ際には給与や勤務地だけでなく、どの作業を経験でき、会社が2号取得を支援しているかも重要な判断材料となる。
採用数より技能履歴の管理が次の課題
航空分野は自動車整備や宿泊などと異なり、2027年4月開始の育成就労制度の対象ではない。このため、海外・国内の特定技能試験合格者をいかに確保し、1号から2号へ育てるかがより重要になる。2026年の運用要領改正を機に、企業は外国人ごとの技能進度、実務経験、日本語、安全教育を一元管理し、長期就労できる航空人材へ育成する仕組みを整えるべき段階に入っている。