育成就労は2027年4月1日開始、技能実習から何が変わり特定技能へどう接続するのか
2026年9月5日
技能実習に代わる育成就労制度が2027年4月1日に施行される。人材育成と人材確保を目的に特定技能への接続を強化する新制度について、技能実習との違いと企業実務を整理する。
技能実習から育成就労へ制度目的を転換
技能実習制度に代わる「育成就労制度」が2027年4月1日に施行される。根拠となる改正法は2024年6月21日に公布され、出入国在留管理庁は2026年に制度概要、Q&A、運用要領、分野別基準、二国間協力覚書などを順次整備している。企業にとって最大の変化は、外国人制度を国際貢献を掲げた技能移転中心の枠組みから、日本国内の人材育成・人材確保と特定技能への接続を明確にした仕組みへ組み替える点にある。
育成就労は特定技能1号への育成を制度に組み込む
育成就労では、一定期間の就労を通じて特定技能1号の技能水準へ育成することが制度設計の柱となる。このため企業は、入国時点の人材を単純労働力として配置するのではなく、技能、日本語、職場教育を計画的に向上させる必要がある。特定技能と育成就労の対象分野は、人手不足分野における人材確保という共通した政策目的の下で接続する。
受入れ上限も設定される
出入国在留管理庁のQ&Aでは、日本人の雇用機会や処遇への影響を防ぐ観点から、特定技能制度と育成就労制度の双方で分野別の受入れ見込数を設定するとしている。令和10年度末までの受入れ見込数は、1号特定技能外国人80万5,700人、育成就労外国人42万6,200人とされる。企業側の求人需要だけで人数が無制限に拡大する制度ではない。
転籍の考え方も技能実習から変わる
技能実習制度では本人の意思による転籍が原則として限定されていたことが制度上の大きな論点だった。育成就労では一定の要件を満たした本人意向による転籍の仕組みが設けられる。具体的には就労期間、技能、日本語能力など制度で定める条件との関係を確認する必要があり、自由な転職制度と同一ではない。企業は「採用した外国人は制度期間中ずっと自社にいる」という前提で人員計画を立てることが難しくなる。
監理の仕組みも再構築される
育成就労では、技能実習の監理団体に代わる監理支援機関など新たな制度主体が位置付けられる。受入れ企業には育成計画に沿った就労・教育、適正な労働条件、人権保護などが求められる。技能実習で利用していた監理団体との契約が、そのまま新制度で自動的に有効になると考えるべきではない。新制度の許可・基準を確認した上で委託先を選定する必要がある。
2026年度中に企業が準備すべきこと
技能実習生を現在受け入れている企業は、在籍者がどの制度・経過措置の対象になるかを個人単位で整理する必要がある。さらに2027年度以降の新規採用について、育成就労で受け入れるのか、海外試験合格者を特定技能1号として直接採用するのかを分けて考える。教育コスト、採用期間、転籍リスク、特定技能への移行率まで含めて比較することが重要だ。
焦点は「3年後にどの人材になっているか」
新制度では採用人数だけでなく、外国人が必要な技能・日本語能力を身につけ、特定技能へ進める育成体制を持つ企業かどうかが問われる。2027年4月1日の施行までに運用情報が更新される可能性があるため、2026年時点の資料だけで最終判断せず、施行直前まで一次情報を確認する必要がある。情報確認日は2026年9月5日。