特定技能1号の支援体制を2027年4月から厳格化 支援担当者の配置基準と養成講習を新設
2026年9月5日
出入国在留管理庁は、特定技能1号の支援体制要件を2027年4月1日から改正する。事業所ごとの常勤支援責任者・担当者、養成講習、支援人数に応じた配置基準が導入され、自社支援・登録支援機関とも体制見直しが必要だ。
ニュースの核心
出入国在留管理庁は2026年7月28日、1号特定技能外国人への支援体制に関する要件改正を公表した。改正は2027年4月1日に施行される予定で、受入れ企業が自社で支援する場合も、登録支援機関へ委託する場合も、支援担当者の配置や教育体制を今のまま続けられるとは限らない。
入管庁のQ&Aによれば、主な改正点の一つは、支援を行う事業所ごとに支援責任者と支援担当者を、それぞれ常勤の役員または職員から1名以上選任することだ。支援責任者が支援担当者を兼務することは可能とされる。また、支援業務に従事できる者を支援責任者等に限定する方向が示されている。
支援責任者には養成講習を義務化
改正では支援責任者に、入管法や労働関係法令などを扱う支援能力向上のための養成講習受講を義務付ける。これまで社内経験を中心に支援担当を決めていた企業や登録支援機関では、2027年4月までに誰を責任者にするかを確定し、講習受講のスケジュールを確保する必要がある。
さらに入管庁は、支援担当者数について、登録支援機関が支援を受託する特定技能所属機関数や、実際に支援している1号特定技能外国人数に応じる配置基準を示している。公表Q&Aでは、所属機関数を10で割った数、外国人数を50で割った数との関係で必要人数を確保する考え方が示されている。大規模な登録支援機関ほど、人員配置の再計算が必要になる。
生活支援を「担当者の善意」に依存できなくなる
1号特定技能の支援には、事前ガイダンス、入出国時の送迎、住居や銀行口座・携帯電話等の契約支援、生活オリエンテーション、公的手続への同行、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、日本人との交流促進、転職支援、定期的な面談などが含まれる。企業の総務担当者が空いた時間に対応するだけでは、人数増加に伴って支援漏れが起こりやすい。
定着支援という観点でも、支援内容を単なる法令対応として扱うべきではない。住居、通勤、給与明細、税金、社会保険、病院、災害、日本語学習などの問題は、放置すれば欠勤や離職につながる。支援担当者が「相談を受ける人」だけではなく、問題を早期に発見し、会社側へ改善提案できる仕組みを持つ必要がある。
企業が2026年度中に確認すべきこと
自社支援を行う企業は、支援責任者と担当者が誰か、常勤要件を満たすか、通常の指揮命令系統からみて中立性に問題がないかを確認する必要がある。入管庁は、外国人への指揮命令権を持つ者や、組織図上で当該外国人を監督する立場にある者について支援担当者としての適格性に注意を求めている。
登録支援機関へ全部委託している企業も無関係ではない。委託先が新基準を満たす人員を確保できるか確認し、担当者数、対応言語、夜間緊急時の連絡体制、面談方法を聞いておくべきだ。料金だけで支援機関を選び、担当者が何百人も抱えている状態では、新基準施行後に契約の見直しが必要になる可能性がある。
今後の焦点
2027年4月は育成就労制度の開始予定時期でもあり、外国人の受入れと支援を巡る制度が同時に大きく動く。2026年度後半は、登録支援機関の再編や料金改定、支援スタッフ採用が進む可能性がある。企業は施行直前ではなく、2026年中から現行契約と社内体制を棚卸しし、必要人員と予算を確保しておくことが安全である。情報確認日:2026年9月5日。