造船・舶用工業、2026年8月に受入れ事務手続を改正 事業者確認と協議会加入を一体管理
2026年9月5日
国土交通省は2026年8月24日、造船・舶用工業分野の外国人受入れに係る事務取扱要領を改正した。受入れ企業は造船・舶用工業事業者としての確認と協議会加入を整理して進める必要がある。
2026年8月24日に事務取扱要領を更新
国土交通省は造船・舶用工業分野について、育成就労外国人および特定技能外国人の受入れに係る事務取扱要領を2026年8月24日に一部改正した。同分野では、外国人本人の技能・日本語要件だけでなく、受入れ企業側が造船・舶用工業事業者として制度上確認され、分野別協議会への加入手続を行う仕組みが設けられている。人材会社や登録支援機関へ採用を依頼する前に、自社が受入れ主体として必要な要件を満たすかを確認する必要がある。
「事業者確認」と「外国人の申請」を混同しない
国土交通省の手続では、新規申請用として「造船・舶用工業事業者の確認申請書」と、特定技能外国人に関する協議会加入申請書がそれぞれ用意されている。この構造からも、外国人個人の在留資格申請とは別に、企業側の事業実態と制度参加資格を確認する手続が存在することが分かる。採用予定日が決まってから初めて事業者確認を始めると全体日程に影響する可能性があるため、企業は外国人候補者の選考と並行して自社側の申請準備を進めるべきだ。
登録支援機関にも分野別の加入手続がある
造船・舶用工業分野では、登録支援機関向けにも協議会加入申請書や変更申請書が設けられている。1号特定技能外国人の支援を外部委託する企業は、「入管庁に登録された登録支援機関ならどこでも同じ」と考えるのではなく、受託候補が造船・舶用工業分野の必要手続を理解し、対応しているかを確認する必要がある。特に初めて同分野を扱う支援機関の場合、企業と支援機関の双方が必要な協議会手続を整理してから委託契約を進める方が安全である。
業務内容は造船所の全作業を包括するものではない
特定技能は造船所で働く外国人に包括的な就労許可を与える制度ではない。分野別運用要領で定められた業務に従事することが前提となるため、企業は求人票の職種名ではなく、外国人が日常的に担当する工程、技能、作業内容を制度上の対象業務と照合する必要がある。製造、溶接、塗装、機械関連など複数工程を持つ事業所では、所属部署と実際の職務を具体的に記録し、在留申請時の説明と入社後の配置が食い違わないよう管理することが重要となる。
2027年4月からの育成就労も同じ分野で始まる
造船・舶用工業は、2026年1月23日に閣議決定された分野別運用方針の下で特定技能と育成就労の双方を扱う分野となっている。育成就労制度は2027年4月に運用開始予定で、国土交通省のウェブページには両制度に対応した事務手続が掲載され始めている。企業にとっては、技能実習から特定技能へ個別に移す従来型の運用だけでなく、育成就労から特定技能1号へつなぐ中期的な人材育成モデルを検討する段階に入ったといえる。ただし制度開始前の採用案件には現行特定技能ルールを適用する必要がある。
外国人本人にはキャリア経路を具体的に示す
造船・舶用工業は特定技能2号の対象でもあり、一定の要件を満たせば1号より長期的な就労につながる可能性がある。企業が外国人材を定着させるには、単に在留資格を取得させるのではなく、何年目にどの技能を習得し、どの試験や実務経験を目指すのかを本人に説明することが有効だ。安全教育、日本語教育、技能評価を別々の担当者が管理するのではなく、キャリア計画として統合することが望ましい。
採用実務では申請書類の最新版管理が重要
2026年8月のように事務取扱要領が改正されると、過去案件で使用した様式をそのまま流用することがリスクになる。企業は国土交通省公式ページから最新の事業者確認申請書、協議会加入申請書、変更申請書、チェックリストを取得し、社内共有フォルダの旧様式を整理すべきである。外国人採用の成否は候補者確保だけで決まらず、企業資格、協議会、業務区分、在留申請を正しい順序で管理できるかが実務上の重要点となる。