特定技能1号を制度から理解する、在留上限5年・技能試験・日本語・支援まで採用前に確認
2026年9月5日
特定技能1号は即戦力外国人を受け入れる在留資格で、通算在留期間、技能・日本語要件、支援義務など独自のルールがある。企業が採用前に確認すべき制度要件を整理した。
特定技能1号とは何か
特定技能1号は、人手不足が深刻な特定産業分野で「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を持つ外国人が就労するための在留資格である。2019年4月に制度が始まり、2026年時点では対象分野が19分野まで広がっている。一般的な就労資格と異なり、技能水準、日本語能力、受入れ企業の基準、外国人への支援、分野別要件が組み合わされている点が特徴だ。
技能と日本語の両方を確認する
原則として外国人は、希望する分野の技能評価試験と日本語試験の双方で必要な水準を満たす。日本語については基本的にJFT-BasicのA2.2(A2)相当、または日本語能力試験JLPTのN4以上など、制度で認められた方法により確認する。介護、自動車運送業のタクシー・バス、鉄道の運輸係員などでは別途の日本語要件があるため、「N4があれば全分野で十分」と一律に判断してはいけない。
技能実習2号良好修了者には試験免除の仕組み
技能実習2号を良好に修了した外国人については、一定の場合に技能試験や日本語試験が免除される。ただし、技能実習で修得した技能と特定技能で従事する分野・業務との関連性などを確認する必要がある。企業側は「技能実習経験者だから自動的に特定技能へ変更できる」と考えず、修了状況、職種・作業、移行先業務との対応関係を申請前に確認すべきである。
在留期間には通算上限がある
特定技能1号には通算在留期間の上限があり、基本的には5年である。このため、企業が長期雇用を想定する場合は、本人が既に他社で特定技能1号として在留した期間も含めて残存期間を確認することが重要になる。採用時点で在留カードの期限だけを確認しても、1号として働ける残りの総期間は把握できない。本人の過去の在留歴を確認し、人材配置や育成計画に反映させる必要がある。
1号には支援義務がある
特定技能1号の大きな特徴が、受入れ機関による支援である。企業は1号特定技能外国人支援計画を作成し、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保・生活契約支援、生活オリエンテーション、公的手続への同行、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、日本人との交流促進、転職支援、定期面談などの義務的支援を適切に実施する。全部委託する場合は登録支援機関を利用できるが、雇用主としての責任そのものが消えるわけではない。
家族帯同は原則認められない
特定技能1号では、家族滞在による配偶者・子の帯同は基本的に認められていない。この点は更新回数に上限がない特定技能2号との大きな違いであり、外国人本人の生活設計にも影響する。採用面接では給与や勤務場所だけでなく、在留可能期間、家族、2号への移行可能性などについて誤解のない説明が必要になる。
企業は「採用できる人」より「適法に受け入れ続けられるか」を確認
採用実務では、試験合格証、在留歴、職務内容、報酬、所定労働時間、社会保険、支援体制、分野別要件を一つのチェックリストにまとめるとよい。特定技能は内定を出せば完了する制度ではない。在留期間を通じて雇用契約と受入れ基準を維持することが必要である。2026年9月5日時点の最新運用要領を基準に社内手続きを点検することが重要だ。