特定技能の定期届出は2026年から年1回へ、受入れ企業が間違えやすい随時届出との役割分担
2026年9月5日
特定技能所属機関の定期届出は2026年4月から新ルールに移行し、四半期ごとから年1回へ変更された。一方、雇用契約変更などの随時届出は別に必要となる。
定期届出の仕組みが2026年4月から変更
特定技能外国人を雇用する企業にとって、2026年の重要な実務変更の一つが定期届出制度である。出入国在留管理庁は2026年4月1日から新しい定期届出ルールを運用し、従来の四半期ごとの提出から年1回へ変更した。提出頻度は下がったが、企業の管理義務そのものが軽くなったわけではない。雇用契約の変更・終了や受入れ困難など、一定の事由が生じた場合に行う随時届出は別制度として残っている。
四半期提出は2025年4月15日提出分で終了
出入国在留管理庁は、四半期に1度行っていた旧方式の定期届出について、2025年4月15日までに提出するものを最後とし、次回を2026年4月以降とした。その後は1年に1回の定期届出が必要となる。2026年4月1日以降の提出には新様式の「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」などを使用する。過去のExcel様式を社内フォルダからコピーして使うのではなく、提出時点の公式様式を取得することが安全だ。
年1回になっても日常管理は必要
届出頻度の変更を「年に一度だけ外国人の状況を確認すればよい」と解釈するのは危険である。企業は日常的に、特定技能外国人の在籍状況、活動内容、報酬、労働時間、社会保険、支援実施状況などを把握する必要がある。年次届出の時点で一年分を遡って確認すると、退職日や支援記録、面談記録などが欠落していることがあるため、人事システムや外国人管理台帳に随時記録する運用が望ましい。
随時届出は企業自身が行うものがある
特に注意すべきなのが、登録支援機関に支援を全部委託している企業である。出入国在留管理庁は、特定技能所属機関による随時届出について、支援を登録支援機関に委託していても受入れ企業自身が届け出なければならないものがあると明記している。登録支援機関へ連絡しただけで行政上の届出が完了したと考えてはいけない。雇用契約の変更・終了、受入れ困難、支援計画や委託契約に関する変更などについて、誰が届出主体なのかを事由ごとに確認する必要がある。
採用時に届出責任者を決める
実務上は、外国人を採用した時点で「在留申請担当」「雇用契約管理担当」「支援担当」「届出担当」を明確にすることが有効だ。中小企業では同一人物が複数業務を担当してもよいが、退職、休職、事業所変更、給与変更などが発生したときに誰が入管手続の要否を判断するかを決めておかなければ漏れが生じやすい。登録支援機関との契約書にも、情報連絡の期限と担当窓口を設定したい。
電子化を前提に証拠資料を整理
出入国在留管理庁はオンラインによる定期届出について解説動画や入力方法を公開している。企業側も雇用契約書、賃金台帳、支援記録、面談記録、社会保険関係資料などを電子的に検索できる状態にしておくと、届出だけでなく在留期間更新時の確認にも役立つ。制度上提出が不要な資料であっても、適正な受入れを説明できる社内記録は保持しておくべきである。
届出漏れは受入れ継続に影響する
入管庁は、特定技能所属機関からの届出が適正に履行されていない場合、特定技能外国人を受け入れることができなくなる場合があると注意喚起している。提出頻度の合理化を管理の緩和と取り違えず、年次届出と随時届出を分離した社内チェック体制を作ることが2026年以降の実務の基本となる。情報確認日は2026年9月5日。