特定技能・育成就労の分野別運用方針を一体化 政府が2029年3月末までの受入れ枠を再設計
2026年9月5日
政府は2026年1月23日、特定技能と2027年4月開始の育成就労について分野別運用方針を一体化した。特定技能1号80万5,700人、育成就労42万6,200人の受入れ見込数を設定し、外国人採用は新制度への移行準備段階に入った。
特定技能と育成就労を同じ人材政策として設計
政府は2026年1月23日、特定技能制度と2027年4月1日に始まる育成就労制度について、受入れ対象分野ごとの分野別運用方針を決定した。従来、特定技能は即戦力外国人、技能実習は国際貢献を制度目的として別々に運用されてきたが、育成就労の創設後は、外国人を育成就労から特定技能1号へ育成・移行させる人材確保の流れが制度上明確になる。採用企業、登録支援機関、送出機関にとって、2026年度は新旧制度の切替え準備を進める重要な一年となる。
特定技能1号80万5,700人、育成就労42万6,200人
政府資料では、2029年3月末までの受入れ見込数として、特定技能1号が全分野合計80万5,700人、育成就労が42万6,200人、合計123万1,900人と設定された。受入れ見込数は単なる目標ではなく、分野ごとの受入れ上限として運用される。各分野では、人手不足数から国内人材確保策や生産性向上による効果を差し引いた上で、外国人材により補う必要性を政府が検証する仕組みとなっている。
分野別運用方針も一体化
新しい運用では、特定技能の特定産業分野と育成就労産業分野、人手不足の状況、外国人に求められる技能・日本語能力、育成就労実施者の変更に関する事項などを同一の分野別運用方針の中で整理する。リネンサプライ、物流倉庫、資源循環など新たに設定された分野については、閣議決定だけで直ちに受入れが始まるわけではなく、省令、告示、技能試験、分野別運用要領などの準備が整った分野から順次実施される点に注意が必要だ。
企業は「採用人数」だけでなく移行経路を設計する段階へ
受入れ企業が確認すべきなのは、自社の業種が特定技能・育成就労の対象となるかだけではない。育成就労で採用した外国人を3年間の就労を通じてどの技能水準まで育成するのか、その後に特定技能1号へ移行させるのか、さらに対象分野では特定技能2号まで長期的に育成するのかというキャリア設計が必要になる。採用計画、教育計画、日本語研修、評価試験対策を別々に管理する方法では、新制度への対応が難しくなる。
外国人本人にもキャリアの見通しが重要になる
外国人側からみると、技能実習から育成就労への変更は単なる在留資格名称の変更ではない。育成就労は日本国内の人材育成と人材確保を制度目的として明示し、原則3年間で特定技能1号水準への育成を目指す。日本語能力や技能評価の結果が、その後の転籍や特定技能への移行と結び付くため、来日前から日本語学習と職種別技能教育を組み合わせる必要性が高まる。
2027年4月施行までに実務体制の再構築を
今後の焦点は、2027年4月1日の制度開始に向けて公布・施行される分野別の省令、上乗せ基準、試験制度、支援・監理要件である。受入れ企業は現在利用している技能実習、特定技能の採用ルートを棚卸しし、どの人材を技能実習から移行させ、どの人材を育成就労として新規採用するかを整理する必要がある。特に2026年中に採用契約や教育を開始する企業は、現行制度だけを前提に長期計画を組まないことが重要だ。情報確認日は2026年9月5日。