特定技能・外食業で海外採用に影響 2026年8月最新審査状況と19分野時代の外国人採用実務
2026年8月22日
特定技能・外食業で海外採用に重要な動き
2026年8月、特定技能外国人を採用する企業が特に注意したいのが外食業分野の受入れ上限と在留諸申請の審査状況です。出入国在留管理庁は8月10日、特定技能1号・外食業分野について最新の審査状況を公表しました。海外から新たに人材を呼び寄せようとしている飲食企業だけでなく、インドネシアなどで人材を育成して日本へ送り出す教育・送出し関係者にとっても重要な情報です。
ニュースの要点
- 外食業分野では特定技能1号の受入れ見込数が5万人と設定されています。
- 受入れ上限への接近を受け、2026年4月13日から在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置が実施されています。
- 2026年8月10日時点では、在留資格認定証明書交付申請について、受付日が2026年1月5日までの申請を対象に、交付可能な場合に受付日順で順次交付するとされています。
- 在留資格変更許可申請については、技能実習からの一定の移行、特定技能1号の外食業分野内での転職など、申請類型によって取扱いが異なります。
- 2026年1月23日の政府決定では、従来の16分野にリネンサプライ、物流倉庫、資源循環を加えた19分野を前提とした制度整備が進められています。
外食業の採用計画にどのような影響があるのか
外食業分野では、2026年2月末時点で特定技能1号の在留者数が約4万6千人となり、当時の受入れ見込数5万人に近づいていました。このため出入国在留管理庁と農林水産省は、受入れ見込数を超えることが見込まれるとして、4月13日から在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置を開始しました。
企業の採用実務で重要なのは、技能試験と日本語試験に合格していても、海外から予定どおり入国できるとは限らないという点です。海外採用では、試験合格、雇用契約、在留資格認定証明書、査証、入国という複数の段階があります。人材育成と採用計画を立てる際には、在留資格手続の最新状況まで確認する必要があります。
「特定技能16分野」から19分野を前提とする制度へ
特定技能については長く「16分野」という呼び方が使用されてきました。しかし、2026年1月23日に決定された分野別運用方針では、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環が追加され、19分野を前提とした制度設計となっています。
ただし、新しい3分野が同時にすべて同じ段階で採用可能になったわけではない点には注意が必要です。出入国在留管理庁の2026年6月1日現在の「分野別情報」では、リネンサプライを含む17分野が受入れ可能な分野として掲載されています。一方、物流倉庫や資源循環についても関係告示・運用制度の整備が進んでいます。企業は「19分野になった」という情報だけで採用を開始せず、対象分野の試験開始時期や受入れ要件を個別に確認する必要があります。
インドネシア人材への影響
インドネシアは特定技能制度における重要な人材供給国の一つです。出入国在留管理庁が公表する試験運用状況でも、インドネシアは外食業、飲食料品製造業、漁業など複数分野の海外試験実施国に含まれています。
そのため、インドネシア国内で日本語教育と技能教育を行い、日本企業が卒業前から面接・内定を行う採用モデルは引き続き有力です。ただし外食業については、現在の受入れ上限の運用を考慮する必要があります。外食業だけに人材育成を集中させるのではなく、飲食料品製造業、介護、農業、建設、宿泊、自動車整備など、実際に採用可能な分野と試験制度を確認しながら育成人材の分野を設計することが重要です。
企業・受入れ機関が確認すべき実務事項
1.採用する業務と特定技能分野を一致させる
会社の業種だけで判断するのではなく、外国人本人が実際に担当する業務が対象分野・業務区分に該当するか確認してください。
2.海外採用では在留資格認定証明書の状況を確認する
特に外食業では受入れ上限に伴う運用が行われています。候補者へ入国時期を約束する前に、出入国在留管理庁の最新情報を確認することが必要です。
3.インドネシア人材は試験日程から逆算する
日本語試験、分野別技能試験、面接、雇用契約、インドネシア側の必要手続、日本側の在留資格申請までを一つの採用工程として管理することが重要です。
4.新規3分野は制度開始状況を個別確認する
リネンサプライ、物流倉庫、資源循環については、試験実施要領や受入れ要件などの整備状況を所管省庁と出入国在留管理庁の最新情報で確認してください。
5.2027年の育成就労制度も視野に入れる
2027年4月には育成就労制度の開始が予定されており、特定技能制度と外国人材育成を一体的に考える重要性が高まります。企業は単純な「採用人数」の確保から、教育、就労、定着、特定技能への移行までを含めた中長期的な人材戦略へ切り替える必要があります。
今後の見通し
今回の外食業の事例は、特定技能制度が無制限に外国人を受け入れる制度ではなく、分野ごとの人手不足状況や受入れ見込数を基準として運用されていることを改めて示しています。今後は企業側にも、採用予定分野の在留者数や制度変更を継続的に確認する姿勢が求められます。
一方で、19分野への制度拡大と2027年の育成就労制度開始により、外国人材を採用できる業種と育成ルートは広がっていく方向です。特に若年人口が多く、日本語・技能教育を行う教育機関も存在するインドネシアは、日本企業の外国人採用戦略を考える上で引き続き重要な国の一つとなります。
まとめ
2026年8月の特定技能最新ニュースとして、人事担当者がまず確認すべきなのは外食業分野の在留資格認定証明書の交付制限と最新審査状況です。同時に、従来の16分野から19分野を前提とする制度への拡大、新規分野の制度整備、2027年の育成就労制度開始も進んでいます。
外国人採用では「人材を見つけること」だけでは不十分です。採用する分野、技能・日本語試験、在留資格、支援体制、入国時期までを一体的に管理する必要があります。インドネシア人材を採用する企業についても、現地での教育から日本での就労・定着までを見据えた計画的な人材育成型採用が重要になります。