自動車運送業の特定技能、協議会手続を6月更新 申請前加入と「1カ月程度」の確認期間に注意
2026年9月5日
国土交通省は2026年6月1日、自動車運送業分野の特定技能Q&Aなどを更新。所属機関と登録支援機関は協議会加入が必要で、在留資格申請までの手続期間を見込んだ採用計画が求められる。
運送業の特定技能、採用前の協議会手続がボトルネックに
国土交通省は2026年6月1日、自動車運送業分野の特定技能外国人受入れに関するQ&A等を更新した。トラック、タクシー、バスの運転業務を対象とする自動車運送業分野では、技能評価試験や日本語要件に加え、日本の運転免許取得など運送業特有の条件がある。さらに、特定技能所属機関と登録支援機関の双方が分野別協議会に加入する必要があり、国交省Q&Aでは加入届出の内容確認に1カ月程度を要する見込みとしている。
協議会加入は在留資格申請までに必要
国交省Q&Aによれば、自動車運送業分野特定技能協議会への加入受付は2025年1月17日に開始された。加入は、特定技能または制度上認められる特定活動の在留資格申請までに行う必要がある。採用企業が候補者を決定した後で加入手続を始めると、審査・確認期間が入社スケジュールに影響する可能性がある。初めて外国人ドライバーを採用する事業者は、求人開始時点で協議会加入要件を確認しておく方が安全だ。
所属機関だけでなく登録支援機関も加入対象
自動車運送業分野では、特定技能所属機関だけでなく、支援計画の全部を受託する登録支援機関についても協議会加入が必要とされる。企業が登録支援機関を選定する際には、「特定技能の支援実績があるか」だけでなく、自動車運送業分野の協議会手続に対応できるかを確認する必要がある。国交省は加入、変更、資格証明書の発行などに関する運営事務局を案内しており、フォーム入力の誤りがないよう確認を求めている。
最大の違いは日本の運転免許が必要なこと
自動車運送業の特定技能は、試験に合格しただけで直ちにプロドライバーとして就業できる制度ではない。実際にトラック、タクシー、バスを運転するためには、車種・業態に応じた日本の運転免許を取得しなければならない。このため企業は、海外での採用、技能試験、日本語、入国、免許取得、社内研修、乗務開始までを段階的に設計する必要がある。タクシーやバスでは接客や安全運行に必要な日本語能力も実務上重要になる。
外国人本人には免許取得期間の生活設計も説明
本人側から見ると、「採用された日」と「実際に運転業務を開始する日」が一致しない可能性がある。免許切替や取得、研修に時間を要する場合、その期間の雇用条件、給与、住居費、研修内容を事前に確認することが重要だ。企業は曖昧な説明を避け、どの時点からドライバーとしての賃金体系になるのか、免許取得に失敗・遅延した場合はどうなるのかまで説明しておくべきである。
採用実務は「免許・在留・協議会」の三工程を並行管理
運送会社が外国人ドライバー採用を成功させるには、人事部だけでなく運行管理者、登録支援機関、免許取得支援担当者が同じスケジュールを共有する必要がある。候補者数、試験結果、日本語資格、協議会加入、在留申請、免許取得予定、乗務開始予定を一覧化すれば、どこで採用が止まっているかが分かる。2026年の運用では制度自体が利用可能になっただけでなく、実際に受け入れる企業の事務能力が採用速度を左右する段階に入っている。
情報確認日:2026年9月5日