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宿泊特定技能、観光庁が受入れ実態を連続調査 9月30日まで活用状況・課題をアンケート

2026年9月15日

観光庁は2026年8~9月、宿泊分野特定技能協議会の所属機関を対象に受入手続、育成、地域共生、活用状況や課題を調査している。制度運用が「採用後の質」へ重点を移す動きとして注視したい。

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宿泊分野で二つの実態調査

観光庁が2026年8月から9月にかけ、宿泊分野で特定技能外国人を受け入れている事業者を対象とした調査を相次いで実施している。9月4日更新の宿泊分野特定技能・育成就労協議会ページによると、第1弾は8月25日から9月11日まで、外国人材の受入手続、育成、地域社会との共生などを調査。第2弾は9月4日から9月30日まで、特定技能外国人の活用状況、課題、展望などを尋ねる。ホテル・旅館にとって、外国人採用後の運用実態が政策検討の重要材料となる局面だ。

協議会加入は在留申請にも関係

宿泊分野では、特定技能外国人を受け入れる宿泊施設である特定技能所属機関と、適合1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託されている登録支援機関は、宿泊分野特定技能協議会の構成員となることとされている。観光庁は、地方出入国在留管理局への在留諸申請時に、協議会構成員であることを明らかにする書類の提出が必要だと案内している。

協議会への入会、変更、退会はe-Gov電子申請で行い、郵送による紙申請は受け付けていない。担当者の異動や施設情報の変更があった企業は、在留申請直前になって登録情報の不一致が判明しないよう定期的に確認したい。

調査テーマが示す「採用後」の課題

今回のアンケートで、単なる採用人数だけでなく、受入手続、育成、地域社会との共生、活用上の課題が調査対象になっている点は重要である。宿泊業では外国人従業員がフロント、企画・広報、接客、レストランサービスなど宿泊サービスに関係する幅広い業務に関わるため、現場日本語や顧客対応を含む継続教育が定着を左右する。

特に地方の旅館・ホテルでは、職場外の生活支援も定着に影響する。交通手段、買物、医療、行政手続、地域住民との接点など、大都市とは異なる生活課題がある。登録支援機関へ法定支援を委託している場合でも、勤務シフトや寮、現場の人間関係など雇用主でなければ把握できない問題が残る。

育成就労協議会も制度開始へ準備

観光庁によると、宿泊分野育成就労協議会の規約、誓約書、運営規程、行動規範は2026年8月25日に決定された。一方、9月4日時点では育成就労協議会の入会申請受付はまだ開始しておらず、開始後は特定技能協議会と同様にe-Gov電子申請を利用する予定とされている。

2027年4月から育成就労が始まれば、宿泊企業は入口段階の外国人を育成し、特定技能1号水準へつなげる人材管理を行うことになる。採用担当、教育担当、支配人、登録支援機関が別々に外国人対応を行う体制では情報が分断されやすい。

外国人本人には職務と成長機会を明示

外国人本人にとっては、宿泊業でどの業務を担当し、どの日本語・接客技能を身につけられるかが重要である。求人票に「ホテル業務全般」とだけ書くのではなく、入社当初の担当、研修内容、将来担当できる業務を具体的に説明した方が採用後のギャップを減らせる。

企業は9月の調査を自社点検に使う

今回の調査対象企業は回答を行政向けの作業として終わらせず、質問項目を自社の受入れ点検表として使う価値がある。採用手続は円滑か、育成計画はあるか、地域生活を支えられているか、離職理由を把握しているかを整理することで、次年度の採用精度を高められる。

宿泊分野の外国人材政策は「何人受け入れられるか」から「どのように育成し、定着させるか」へ比重を移している。9月30日までの調査と今後公表される政策対応は、2027年の新制度を準備するホテル・旅館にとって重要な確認材料となる。

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