自動車運送業特定技能、協議会運用を6月更新 外国人ドライバー採用は免許取得前の「準備期間」管理が核心
2026年9月15日
国土交通省は2026年6月1日、自動車運送業分野の特定技能Q&A・協議会案内を更新した。外国人ドライバーは日本の運転免許取得等が必要で、特定活動による準備期間を含めた採用工程の管理が不可欠だ。
採用しても直ちにドライバーとして乗務できるとは限らない
自動車運送業分野で外国人ドライバーを採用する企業は、在留資格取得と実際の乗務開始を同じ日程で考えてはいけない。国土交通省は2026年6月1日、自動車運送業分野の特定技能外国人受入れに関するQ&A等の案内を更新した。同分野はトラック、タクシー、バスで特定技能1号の受入れが可能だが、日本の運転免許取得など、他分野にはない乗務前の準備工程が存在する。
免許取得のため「特定活動」で準備
国交省の分野別運用要領は、1号特定技能外国人として自動車運送業務に従事するには日本の運転免許取得が必要であり、タクシーとバスではさらに新任運転者研修の修了が必要だと説明している。このため、一定期間日本で準備できる在留資格「特定活動(特定自動車運送業準備)」が設けられている。
企業側で重要なのは、海外採用候補者の入国日をそのまま売上を生む乗務開始日として人員計画に入れないことだ。免許切替・取得、必要な研修、在留資格上の手続を完了するまでの期間と費用を採用計画に組み込む必要がある。
技能評価試験は日本海事協会が実施
自動車運送業分野の特定技能1号評価試験は一般財団法人日本海事協会が実施している。国交省は2024年12月に試験開始を発表し、現在も試験実施要領と試験情報を専用ページから案内している。
採用担当者は候補者が「ドライバー経験者」であることだけで判断せず、必要な技能評価、日本語要件、日本の運転免許という三つの条件を分けて管理したい。海外で大型車を長年運転していても、日本の制度上必要な手続が自動的に免除されるわけではない。
協議会加入も採用工程に入れる
自動車運送業分野特定技能協議会は2025年1月17日に加入受付を開始しており、2026年6月時点では加入・変更・証明書発行などの運営事務局も案内されている。国交省ページには2026年7月末現在の特定技能所属機関・登録支援機関の構成員名簿も掲載されている。
受入れ企業は、在留申請を始めてから協議会加入を確認するのではなく、候補者選考の段階で自社の加入状況と登録情報を点検する。営業所追加など届出事項に変更がある場合は、所定の変更手続きを行う必要がある。
外国人本人には準備期間の収入と役割を説明
本人にとって最も不安になりやすいのは、来日してから運転免許を取得し実際に乗務するまでの期間である。この間にどの在留資格で、どのような活動を行い、賃金や住居をどう扱うのかを採用前に明確に説明する必要がある。「日本に来ればすぐトラックを運転できる」と誤解させれば、採用後のトラブルにつながる。
タクシー・バスの場合は旅客対応に必要な日本語や接遇、安全教育も重要になる。道路標識や運行指示だけでなく、事故・故障時の報告、乗客への説明など実際の職務を想定した日本語教育を準備したい。
採用期間を逆算する
外国人ドライバーを特定技能で採用する場合、候補者確保、評価試験、日本語要件、在留手続、入国、日本免許、研修、乗務開始という工程を時系列に並べることが基本となる。国内採用か海外採用かによって必要期間も変わる。
自動車運送業の特定技能は、人材不足の現場に新たな採用経路を開いた一方、他分野以上に「採用決定から稼働まで」の管理が重要な制度である。運送会社は人事部門だけでなく、運行管理者、教習担当、登録支援機関を含めた採用プロジェクトとして進める必要がある。