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農業の外国人雇用、不法就労防止を重点化 農水省が第9回受入れセミナーで摘発事例と実務対応を共有

2026年9月15日

農林水産省は2026年6月29日、第9回農業分野における外国人材受入れセミナーを開催。不法就労の現状・摘発事例と企業側の実務対応を扱い、農業者に在留資格・就労範囲の確認徹底を求める内容となった。

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農水省セミナーが不法就労を正面から扱う

農業分野の外国人材受入れで、採用数の確保と同時に「適法に働ける人か」を確認する実務の重要性が高まっている。農林水産省は2026年6月29日、第9回「農業分野における外国人材受入れセミナー」をオンラインで開催し、不法就労の現状と摘発事例、茨城県の対策、農業者が不法就労を防ぐための実務対応を取り上げた。特定技能外国人を受け入れる農業経営体にとっても、採用時の在留資格確認を形式的なコピー保存で終わらせないことが求められる。

入管庁が摘発事例を説明

第9回セミナーでは、出入国在留管理庁警備課が「不法就労の現状と摘発事例について」を説明したほか、茨城県労働政策課外国人適正雇用推進室が県内の現状と対策を紹介し、弁護士が「不法就労を防ぐための実務対応」を解説した。農水省が農業者、農業関係団体、地方自治体担当者向けにこうしたテーマを設定したことは、外国人雇用の拡大に伴って採用時・就労中の資格管理が現場課題になっていることを示す。

「在留カードがある」だけでは確認不足

外国人を雇用する際は、在留カードの有無だけでなく、在留資格、在留期限、就労制限、資格外活動許可などを確認する必要がある。特定技能として農業に従事する外国人であれば、本人の在留資格が特定技能であることに加え、指定書などから認められた活動を確認する。

他社から転職してきた外国人については、前職で特定技能だったことだけを理由に直ちに自社で働かせられると判断しない。所属機関の変更に伴う在留手続を確認し、実際に自社で就労可能になった時点を把握する必要がある。

繁忙期の「知人を連れてくる」に注意

農業では収穫期など短期間に大量の人手が必要になる。このため、すでに働いている外国人から「友人も働きたい」と紹介されることがある。人手不足だからと本人確認を簡略化すると、就労資格のない者を働かせるリスクが生じる。

雇用形態が短期であっても、外国人である以上、就労可能な在留資格かどうかの確認は必要だ。採用担当者がいない小規模農家では、現場責任者が口頭だけで採用を決めないよう、外国人採用時の確認手順を一枚のチェック表にしておくとよい。

特定技能でも労働法令は同じ

農水省は外国人を雇用する際、入管法だけでなく労働基準法など関係法令を遵守し適切に受け入れるよう明記している。特定技能外国人であることを理由に、日本人とは別の賃金計算や安全基準を適用できるわけではない。

農作業では機械、刃物、高所、農薬、暑熱環境など事故につながる要因が多い。農水省の外国人受入れページでは、外国人労働者向けの農作業安全教材や外国語版の熱中症対策資料も案内している。本人が理解できる言語・方法で安全教育を実施することは、適正雇用と同時に重要な受入れ条件となる。

海外からの人材呼び込みも継続

農水省は2026年8月3日、スリランカ・コロンボでの海外ジョブフェア参加者募集を開始したことも公表している。外国人材の確保策を進める一方で、6月のセミナーでは不法就労防止を重点的に扱っており、「採用拡大」と「適正雇用」を同時に進める政策姿勢が明確になっている。

本人にも在留期限を自己管理させる

外国人本人には、会社が手続を管理するから自分は何もしなくてよいと考えさせないことも重要だ。在留カードの期限、更新申請、転職時に必要な手続、就労できる活動範囲を本人にも説明し、会社と本人の双方で期限を管理する。

農業経営体が今すぐ見直したいのは、在留カード確認者を誰にするか、確認結果をどこへ保存するか、期限前に誰が通知するか、知人紹介や短期雇用でも同じ確認を行うかという四点である。外国人材の採用経路が広がるほど、入口での適法性確認を標準化することが農業経営のリスク管理になる。

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