ビルクリーニング特定技能、運用要領を8月28日改正 業務範囲と受入れ管理を企業は再点検へ
2026年9月5日
厚生労働省は2026年8月28日、ビルクリーニング分野の特定技能外国人受入れに関する運用要領を一部改正した。受入れ企業は最新の職務記述書や業務範囲、支援体制との整合を改めて確認する必要がある。
運用要領が8月28日に更新、現場配置の確認が重要に
厚生労働省は2026年8月28日、ビルクリーニング分野に係る特定技能外国人受入れの運用要領を一部改正した。ビルクリーニングでは特定技能1号・2号に加え、2027年4月から始まる育成就労制度との接続を見据えた制度整備も進んでいる。すでに外国人を雇用しているビルメンテナンス会社だけでなく、これから採用する企業も、古い資料ではなく最新の運用要領、職務記述書、誓約書を基準として採用・配置を設計する必要がある。
対象は「住宅を除く建築物内部の清掃」が中心
厚労省が示す職務記述書では、特定技能外国人が主として従事するビルクリーニング業務は、多数の利用者が利用する建築物のうち住宅を除く建築物内部の清掃で、評価試験により技能が確認される作業が中心となる。企業実務で注意すべきなのは、「清掃会社で働いているから何でも担当させられる」という制度ではない点だ。契約上の職務内容、実際の日々の作業、評価試験で確認される技能の範囲が一致しているかを確認しなければならない。関連業務を担当させる場合も、主たる業務との関係を説明できる状態にしておくことが重要になる。
2026年は育成就労との接続設計も具体化
2026年5月19日に開かれたビルクリーニング分野特定技能協議会では、特定技能制度と育成就労制度の新制度、分野独自の上乗せ要件、2025年度までの試験状況、さらに「ビルクリーニング分野育成・キャリア形成プログラム」が議題となった。育成就労は2027年4月に運用開始予定であり、今後は入口の人材育成から特定技能1号、さらに技能水準を高めた2号までを一体的に考える人事設計が求められる。単年度の人手不足対策として外国人を採用するのではなく、教育担当者、評価時期、技能習得、昇給と職務拡大を数年単位で組み立てる必要がある。
採用前に確認すべき三つの実務ポイント
受入れ企業がまず確認すべきなのは、第一に、予定している現場と職務がビルクリーニング分野の対象業務に該当するかである。第二に、雇用条件書や職務説明と実際の配置が一致しているか。第三に、特定技能協議会、支援計画、登録支援機関への委託内容など、受入れ後の管理体制が最新要件に適合しているかである。複数の清掃現場を巡回させる会社では、配属変更時に業務内容や就業場所の管理が曖昧になりやすい。人事担当者だけでなく、営業所長や現場責任者にも制度上の業務範囲を共有することが必要だ。
本人側も「どの清掃作業を行うのか」を確認
外国人本人にとっても、雇用契約を結ぶ際に「ビルクリーニング」という名称だけを見るのではなく、実際の作業内容、勤務地、勤務時間、夜勤の有無、使用する機械や薬剤、安全教育の方法を確認することが重要になる。特に言語理解が不十分な状態で洗剤や機械を扱うことは労働災害につながり得るため、企業側には理解可能な方法による安全教育が求められる。試験合格は就労開始時の技能確認であり、現場教育が不要になるわけではない。
焦点は「採用人数」からキャリア形成へ
今後の焦点は、育成就労から特定技能1号、2号へどのように技能と待遇を接続するかである。人材確保競争が続くなか、単純に海外から採用するだけでは定着しにくい。技能評価、職場内教育、日本語学習、昇給基準、責任者への登用などを可視化できる会社ほど中長期の採用力を持ちやすい。2026年8月の運用要領改正を機に、受入れ企業は既存の雇用契約、職務記述、支援計画、現場運用を一度照合しておくべきだ。
情報確認日:2026年9月5日