外国人採用の紹介料は「総額」だけで比較しない 職業紹介の新運用要領を企業は再確認
2026年9月6日
厚生労働省は2026年7月31日から新しい職業紹介事業の業務運営要領を適用している。特定技能人材の採用企業は紹介料だけでなく、支援費、返金規定、違約金、海外側費用を分けて確認し、採用コストを透明化する必要がある。
2026年7月31日から職業紹介の新しい業務運営要領
厚生労働省は2026年7月31日から、改訂した「職業紹介事業の業務運営要領」を適用している。特定技能外国人を有料職業紹介会社経由で採用する企業にとって重要なのは、提示された一人当たりの紹介料だけを見るのではなく、職業紹介、登録支援、海外教育、渡航関連など何の対価として費用が発生しているかを分解して確認することである。
紹介手数料には制度上のルールがある
有料職業紹介事業は職業安定法に基づく許可事業であり、手数料の徴収にもルールがある。厚生労働省は職業紹介事業の業務運営要領で、許可、手数料、事業運営、個人情報保護、違法行為防止などを整理している。外国人専門の紹介会社であっても、この基本構造から外れるものではない。
さらに2025年4月1日から、職業紹介事業者には徴収した紹介手数料の実績を人材サービス総合サイトに掲載する仕組みが導入され、違約金に関する定めについても求人者に誤解が生じないよう事前明示が求められている。企業側は契約書に署名する前に、紹介手数料率、算定基礎、支払時期、早期退職時の返金、採用辞退時の扱い、違約金条項を確認する必要がある。
特定技能では紹介料と支援費を混同しやすい
特定技能1号では、受入れ機関が支援計画を実施する必要があり、登録支援機関に全部を委託することもできる。このため採用会社から見ると、「紹介料」「登録支援委託費」「入国前教育費」「翻訳費」「渡航関連費」など複数の費用が同時に提示される場合がある。紹介会社と登録支援機関が同一法人の場合でも、それぞれのサービス内容と料金を分けて把握することが重要だ。
比較の際には初期費用だけでなく、12カ月または24カ月の総採用コストを計算する。例えば紹介料が低くても毎月の支援委託料が高いケースと、紹介料は高いが自社支援によって月額費用を抑えられるケースでは、総額が逆転する可能性がある。ただし、自社支援は単なるコスト削減策ではなく、法定支援を適切に実施できる体制が前提になる。
外国人本人が負担する費用も確認する
企業が支払う金額だけでなく、外国人本人が送り出し国でどのような費用を負担しているかも確認したい。本人に過大な借金や不透明な費用負担があれば、入社後の生活や定着に影響する可能性がある。事前ガイダンスでは保証金徴収の有無などについて説明する仕組みも設けられている。企業は海外側を含む採用経路を把握し、本人への説明と自社が受けた請求の整合性を確認することが望ましい。
採用単価ではなく定着までのコストで判断
採用担当者は候補者一人当たりの紹介料だけで業者を選定せず、入社率、早期離職、返金制度、支援内容、採用に要する期間を合わせて評価すべきである。契約時には見積書を「職業紹介」「在留手続関連」「支援」「教育」「渡航その他」に区分して提出してもらうと比較しやすい。特定技能採用が拡大するほど、料金の透明性と採用後の定着率が人材会社選定の重要指標になる。情報確認日は2026年9月6日。