外食業の特定技能1号、入管が審査状況を更新 海外採用は依然「申請日」と受入れ上限の管理が重要
2026年9月5日
出入国在留管理庁は2026年8月10日、外食業分野の特定技能1号に関する在留諸申請の審査状況を更新した。海外採用と国内変更で取扱いが異なり、採用企業は入社日を先に確定せず申請区分ごとの進捗を管理する必要がある。
ニュースの核心
出入国在留管理庁は2026年8月10日、外食業分野の特定技能1号について、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請の審査状況を更新した。受入れ見込数を踏まえた運用が続いており、海外から新たに呼び寄せる採用と、日本国内にいる外国人の資格変更では処理状況が異なる。
8月10日時点の公表では、海外からの受入れに用いる在留資格認定証明書交付申請について、在留資格変更許可申請を優先して処理し、受入れ可能な場合に受付日順で交付するとされ、当時は2026年1月5日までに受け付けた申請が対象とされた。外食企業が採用候補者と「来月から勤務」と約束しても、在留手続が追い付くとは限らない状況である。
国内変更も申請経路で扱いが違う
在留資格変更については、技能実習の医療・福祉施設給食製造作業からの変更、外食業分野の特定活動からの変更、外食業分野内での転職などについて、それぞれ処理状況が示された。一方、これら以外の資格からの変更については、2026年4月13日以降に受理された申請が原則不許可となる扱いが示されている。企業側は「国内在住だから変更できるだろう」と判断せず、候補者の現在の在留資格と申請受付日を確認しなければならない。
外食業でこのような受入れ調整が必要になった背景には、分野ごとの受入れ見込数を基準に制度を運用していることがある。採用企業にとって重要なのは、採用人数を決めた時点で在留資格が確保されたわけではないという点だ。内定、雇用契約、試験合格、在留申請、許可、実際の就労開始は別の工程として管理する必要がある。
入社日固定型の採用計画を見直す
実務上は、店舗開業日や繁忙期に合わせて外国人を大量採用する計画ほどリスクが高い。特に海外採用では、現地での送出手続、在留資格認定証明書、査証、航空券手配まで複数の工程がある。許可時期を予測してシフトに組み込むのではなく、既存従業員で運営できる最低人数を確保し、外国人の配属日は許可後に確定する設計が安全である。
出入国在留管理庁は、在留期限との関係から必要に応じて「特定活動(特定技能1号移行準備)」への変更等を案内する場合があるとしている。また、技能実習生は実習計画終了後にそのまま稼働できるわけではなく、技能実習から外食業の特定技能へ変更する場合、就労開始予定日の2か月以上前の申請が案内されている。人事担当者は在留期限の3か月前を一つの管理基準とし、申請準備を前倒しした方がよい。
外国人本人への影響
候補者本人にとっては、会社から内定を受けていても就労許可が出るまで働けない期間が生じる可能性がある。企業は「いつ許可が出るか」を確約せず、申請状況と許可前の就労可否を母国語など理解できる形で説明する必要がある。生活費や住居契約が先行すると本人負担が大きくなるため、来日時期や転居時期を在留手続と連動させるべきだ。
今後の焦点
外食業では人手不足が続く一方、制度は人数上限を無視した無制限受入れではない。採用企業は毎月の審査状況を確認し、海外採用、国内転職、技能実習等からの移行を別々の採用パイプラインとして管理することが重要になる。今後、受入れ余力や申請処理状況が変化すれば運用も更新され得るため、過去の成功事例だけを基準に次の申請を組まないことが基本となる。情報確認日:2026年9月5日。