特定技能制度は次の転換期へ 2026年9月最新資料から読む「受入れ数管理」と育成就労への接続
2026年9月5日
出入国在留管理庁は2026年9月4日、特定技能1号の分野別受入れ見込数・在留者数等を更新した。2027年4月の育成就労開始を前に、企業が理解すべき人数管理と制度移行を整理する。
入管庁が9月4日に分野別データを更新
出入国在留管理庁は2026年9月4日、「特定技能1号の分野ごとの受入れ見込数や在留者数等」を更新した。2027年4月に育成就労制度の開始を控える中、企業にとって受入れ見込数は単なる統計資料ではなく、採用計画の実現可能性を左右する制度情報になっている。
特定技能制度は2019年の開始後、対象分野の追加、特定技能2号の対象拡大などを経て受入れ規模を拡大してきた。2025年12月末時点の特定技能在留外国人数は速報値で39万296人となり、このうち1号は38万2,341人、2号は7,955人だった。2号は同年6月末の3,073人から大幅に増えており、制度が「1号で数年間働く」だけの仕組みから、中長期のキャリアを含む制度へ変化していることが数字にも表れている。
受入れ見込数は採用企業にも直接関係する
分野別の受入れ見込数は、人手不足の状況、生産性向上、国内人材確保などを踏まえて政府が設定する。政府資料では、1号特定技能外国人の受入れ見込数は、大きな経済情勢の変化が生じない限り、分野ごとに在留する外国人の上限として運用する考え方が示されている。
この意味を具体的に示したのが2026年の外食業である。在留者数が受入れ見込数に達することが予想され、在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置が取られた。企業にとっては、候補者が技能試験と日本語試験に合格していても、分野全体の受入れ状況によって新規採用の手続きに影響が出る可能性があるということだ。
2027年4月から育成就労が始まる
政府は2026年1月23日、特定技能制度と育成就労制度について分野別運用方針を決定した。既存の特定技能の分野別運用方針と育成就労の方針を一体的に整理し、人材不足、受入れ見込数、キャリア形成、地域への過度な集中を防ぐ措置などを分野ごとに定める枠組みとなった。
育成就労制度は2027年4月1日の開始が予定されている。特定技能が一定の専門性・技能を持つ即戦力人材を受け入れる制度であるのに対し、育成就労は相当程度の知識または経験を必要とする技能を持つ人材の育成・確保を目的に含む。企業は両制度を同じ「外国人採用枠」として扱わず、採用時点の技能水準と育成計画によって使い分ける必要がある。
企業の外国人採用管理も「人数」から「キャリア」へ
今後の採用計画では、国籍別・分野別の募集人数だけでなく、入社日、在留期限、特定技能1号の通算在留期間、技能試験、日本語能力、2号への移行可能性、育成就労からの移行などを人材ごとに管理する必要がある。特定技能1号は原則として通算在留期間に上限があるため、更新時期だけを管理していては中長期の人員計画を立てにくい。
外国人本人にとっても、どの会社で働けば技能が高まり、次の在留資格や職責へ進めるのかが重要になる。採用企業は仕事内容と給与だけでなく、3年後、5年後の技能・役割・処遇を説明できる体制を作る必要がある。2026年から2027年は、技能実習中心だった外国人雇用の考え方を、育成就労と特定技能を軸に再構築する移行期である。
最新資料を定期確認する体制が必要
出入国在留管理庁は2026年8月にも運用要領、申請・届出様式、提出書類一覧を相次いで更新している。制度改正期には、半年前に作成した社内マニュアルが最新手続きと一致しない可能性がある。採用企業と登録支援機関は、入管庁と分野所管省庁の更新情報を定期的に確認し、申請書類、採用スケジュール、支援手順を更新する運用責任者を決めておくべきである。