建設特定技能、JACが2号移行後の企業支援へ重点転換 奨励金を一律5万円に変更
2026年9月6日
建設技能人材機構(JAC)は2026年6月1日、資格取得等奨励金制度を変更した。支援対象を特定技能2号へ移行した後の企業に絞り、支給額を当面一律5万円とした。長期育成を前提とする企業には人材計画の見直し材料となる。
JACが受入支援サービスを2026年6月から変更
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)は2026年6月1日、建設分野の特定技能外国人を対象とする受入支援サービスの一部を変更した。「資格取得等奨励金制度」は支援の重点を特定技能2号移行後の企業へ移し、支給額を当面一律5万円とした。建設企業にとって、外国人を1号で採用して終わるのではなく、2号移行まで育成することの重要性が一段と明確になった。
支援対象を2号移行後の企業に限定
JACによると、従来の制度は特定技能外国人の技能向上を目的として運用されてきたが、試験受験者や合格者が増加し一定の成果が得られた。このため2026年6月1日以降は、特定技能人材が2号に移行した後の企業、具体的には試験等の合格時点を基準とする支援へ重点を変更した。2026年5月末までに受験して合格した場合は旧制度、6月1日以降に受験して合格した場合は新制度が適用される。
建設分野では2号への育成が定着局面へ
建設分野では特定技能評価試験が3区分で実施されており、1号取得には原則として技能評価試験と所定の日本語試験への合格が必要となる。2号は1号より高い技能水準を前提とし、現場での経験や試験対策を短期間で準備できるものではない。企業が外国人を継続的な技能者として育成するなら、入社時から数年間の職務経験、資格取得、技能評価を逆算して配置する必要がある。
企業が見直すべきは教育予算と記録管理
今回の変更を単なる5万円の奨励金変更として処理すべきではない。受入れ企業は、誰を2号候補者とするか、どの現場で経験を積ませるか、必要な教育・講習・試験をいつ受けさせるかを人材計画に組み込む必要がある。外国人本人任せの試験対策では、繁忙期と受験時期が重なり準備できないケースも生じる。試験日、勤務シフト、教育時間、受験費用を年間計画に入れることが現実的だ。
外国人本人には「長く働ける道筋」を示せる
外国人本人にとっても、2号への移行可能性は職場選択の重要な要素になる。企業が採用面接の段階で「何年働けばどの技能を身につけられるか」「試験受験を会社がどう支援するか」を示せれば、単純な賃金比較とは異なる採用競争力になる。一方、2号試験に必要な技能を習得できない作業だけを長期間担当させれば、本人のキャリア形成を阻害する可能性がある。
今後は1号採用数より2号移行実績が重要に
建設業界では外国人材を短期的な労働力として扱うのではなく、技能者として定着させる仕組みが重要になる。企業はJACの最新制度、評価試験、教育支援を確認し、自社の1号人材について2号候補者リストと育成計画を作成しておきたい。支援制度の変更は、建設特定技能が「採用中心」から「技能形成と長期定着中心」へ移る動きを示している。情報確認日は2026年9月6日。