技能実習生制度は、日本が発展途上国などの外国人材を受け入れ、一定期間の就労を通じて技能や技術、知識を移転し、母国の経済発展に寄与することを目的として1993年に創設された制度です。本来は国際貢献を理念に掲げていますが、実際には日本国内の人手不足を補う労働力確保の役割も大きくなっています。
受け入れ方式は大きく2種類あります。第一は「団体監理型」で、商工会議所や農協などの監理団体が海外の送出機関と契約し、加盟する中小企業等に実習生を配属します。日本で受け入れる約9割がこの方式です。第二は「企業単独型」で、日本企業が海外の現地法人や取引先と直接契約し、実習生を受け入れる形態です。
在留資格は「技能実習」となり、1号(1年目)、2号(2〜3年目)、3号(4〜5年目)と段階的に技能習得を深め、最長で5年間滞在できます。期間延長には技能検定試験や評価試験の合格が必要です。対象業種は農業、漁業、建設、食品製造、繊維・衣服製造、機械・金属加工、介護など多岐にわたります。
実習生の受け入れには、外国人技能実習機構(OTIT)への実習計画の申請・認可が必須です。監理団体やOTIT職員による定期監査が行われ、労働条件や生活環境の適正化が求められます。
しかし制度運用には多くの課題も指摘されています。最低賃金違反、長時間労働、残業代未払い、パスポート取り上げや転職禁止といった人権侵害事例が報道され、制度の理念が形骸化しているとの批判があります。失踪者の増加も社会問題化しており、背景には過酷な労働環境や契約違反、より高賃金の職場を求める動きがあります。
こうした状況を受け、政府は制度改革を進めています。2023年には見直し案が示され、転職制限の緩和、同一分野内での移動容認、実習期間の柔軟化、特定技能制度との連携強化などが提案されました。今後は「人材確保型」と「技能移転型」を組み合わせた新制度への移行が見込まれます。
また、技能実習2号・3号修了者は試験免除で「特定技能1号」への移行が可能であり、特定技能では在留期間延長や一定条件下での家族帯同も可能です。この流れにより、日本国内での長期的な就労・定着が促進されつつあります。