在留資格「技術・人文知識・国際業務(技人国)」の詳細説明

「技術・人文知識・国際業務」(通称「技人国」)は、日本の在留資格の一つで、外国人が専門的な知識や技能を活かして日本の企業や団体で就労するための資格です。2015年の入管法改正で、それまでの「技術」「人文知識」「国際業務」が統合され、幅広い職種を包括する形となりました。

1. 対象となる業務分野
技人国は大きく3つのカテゴリーに分かれます。

  • 技術:理学・工学・ITなどの自然科学分野の専門知識を活かす業務(例:システムエンジニア、機械設計、研究開発、建築設計など)。

  • 人文知識:法学・経済学・社会学・文学などの人文科学分野の専門知識を活かす業務(例:経理、マーケティング、人事、経営企画など)。

  • 国際業務:外国語や異文化理解を必要とする業務(例:通訳・翻訳、海外営業、語学講師、貿易業務など)。

2. 資格取得の要件

  • 学歴要件:原則として大学または専門学校卒業(専攻が業務内容と関連していることが必要)。

  • 実務経験要件:学歴がない場合は、該当分野で10年以上(国際業務のうち通訳・翻訳・語学指導は3年以上)の実務経験が必要。

  • 雇用契約要件:日本国内の企業や団体との間で正式な雇用契約があること。

  • 報酬要件:日本人と同等以上の給与水準であること。

3. 在留期間と更新
在留期間は1年、3年、5年(場合により3か月または4か月)で付与され、更新可能です。更新には雇用契約の継続や適正な在留活動が求められます。

4. 就労範囲と制限
技人国は契約内容に基づく専門業務のみ就労可能で、単純労働は認められません。ただし、在留資格外活動許可を取得すれば、副業やアルバイト(週28時間以内)も可能です。

5. 特徴とメリット

  • 専門職として安定的な在留が可能で、長期滞在や永住申請の基盤となる。

  • 配偶者や子どもを帯同でき、配偶者は資格外活動許可を取得すれば就労可能。

  • 技能実習や特定技能と比べ、職務の自由度・処遇水準が高い。

6. 注意点と課題

  • 学歴や経験と職務内容の関連性が重視されるため、採用計画段階での職務定義が重要。

  • 単純労働とみなされる業務を行うと在留資格取消のリスクがある。

  • 転職は可能だが、職務内容や業種が要件外になると在留資格変更が必要。

総じて、「技人国」は高度な専門性を活かし、日本社会で長期的に活躍したい外国人にとって重要な在留資格です。企業側にとっても、国際的な人材を採用しやすく、グローバル展開や多言語対応力強化に直結する制度と言えます。